公益社団法人日本獣医学会疾患名用語集
 
日本獣医学会疾患名用語集監修委員会からの提言
家畜伝染病予防法における疾患名の変更
2012年9月13日 理事会資料
日本獣医学会疾患名用語集監修委員会
(1)漢字の誤りが明らかである場合、病原体名の呼称が変わった場合、および現在の一般的な疾患名と明らかに乖離している場合には変更するのが妥当と判断した。
(2)疾患名に「病」、「症」、「感染症」が混在していたため、これらを整理することが妥当であると判断した。ウイルス感染症に関しては「ウイルス名+感染症」を用いる。細菌、真菌、および寄生虫による感染症については、「病原体名+症」を用いる。地名、人名、症候名の後に「病」をつけた伝統的な疾患名が存在し、それらが一般的である場合には変更不要と判断した。
届出伝染病
 家畜伝染病予防法に
記載されている疾患名
家畜の種類病原体の種類日本獣医学会疾患名用語集監修委員会が
適切と考える疾患名(変更理由)
1ブルータング牛、水牛、鹿*3、めん羊、山羊ウイルス
2アカバネ病牛、水牛、めん羊、山羊ウイルス
3悪性カタル熱牛、水牛、鹿、めん羊ウイルス
4チュウザン病牛、水牛、山羊ウイルス
5ランピースキン病牛、水牛ウイルス
6牛ウイルス性下痢・粘膜病牛、水牛ウイルス牛ウイルス性下痢ウイルス感染症(病原体名の呼称の変遷)
7牛伝染性鼻気管炎牛、水牛ウイルス
8牛白血病牛、水牛ウイルス地方病性牛白血病(伝染性疾患を規定)
9アイノウイルス感染症牛、水牛ウイルス
10イバラキ病牛、水牛ウイルス
11牛丘疹性口炎牛、水牛ウイルス牛丘疹性口内炎(一般的な疾患名との乖離)
12牛流行熱牛、水牛ウイルス
13類鼻疽牛、水牛、鹿、馬、めん羊、山羊、豚、いのしし*3細菌
14破傷風牛、水牛、鹿、馬細菌
15気腫疽牛、水牛、鹿、めん羊、山羊、豚、いのしし細菌
16レプトスピラ症(注1)牛、水牛、鹿、豚、いのしし、犬 細菌
17サルモネラ症(注2)牛、水牛、鹿、豚、いのしし、鶏、あひる、うずら、七面鳥細菌
18牛カンピロバクター症牛、水牛細菌
19トリパノソーマ病牛、水牛、馬原虫トリパノソーマ症(病原体名+症)
20トリコモナス病牛、水牛原虫トリコモナス症(病原体名+症)
21ネオスポラ症牛、水牛原虫
22牛バエ幼虫症牛、水牛昆虫
23ニパウイルス感染症馬、豚、いのししウイルス
24馬インフルエンザウイルス
25馬ウイルス性動脈炎ウイルス
26馬鼻肺炎ウイルス
27馬モルビリウイルス肺炎ウイルスヘンドラウイルス感染症(病原体名の呼称の変遷)
28馬痘ウイルス
29野兎病馬、めん羊、豚、いのしし、うさぎ細菌
30馬伝染性子宮炎細菌
31馬パラチフス細菌
32仮性皮疽真菌
33伝染性膿疱性皮膚炎鹿、めん羊、山羊ウイルス
34ナイロビ羊病めん羊、山羊ウイルス
35羊痘めん羊ウイルス
36マエディ・ビスナめん羊ウイルス
37伝染性無乳症めん羊、山羊マイコプラズマ
38流行性羊流産めん羊クラミジア
39トキソプラズマ病めん羊、山羊、豚、いのしし原虫トキソプラズマ症(病原体名+症)
40疥癬めん羊ダニ
41山羊痘山羊ウイルス
42山羊関節炎・脳脊髄炎山羊ウイルス
43山羊伝染性胸膜肺炎山羊マイコプラズマ
44オーエスキー病豚、いのししウイルス
45伝染性胃腸炎豚、いのししウイルス
46豚エンテロウイルス性脳脊髄炎豚、いのししウイルス豚テシオウイルス性脳脊髄炎(病原体名の呼称の変遷)
47豚繁殖・呼吸障害症候群豚 いのししウイルス
48豚水疱疹豚、いのししウイルス
49豚流行性下痢豚、いのししウイルス
50萎縮性鼻炎豚、いのしし細菌
51豚丹毒豚、いのしし細菌
52豚赤痢豚、いのしし細菌
53鳥インフルエンザ鶏、あひる、うずら、七面鳥ウイルス
54低病原性ニューカッスル病鶏、あひる、うずら、七面鳥ウイルス
55鶏痘鶏、うずらウイルス
56マレック病鶏、うずらウイルス
57伝染性気管支炎ウイルス
58伝染性喉頭気管炎ウイルス
59伝染性ファブリキウス嚢病ウイルス
60鶏白血病ウイルス
61鶏結核病鶏、あひる、うずら、七面鳥細菌鶏結核(一般的な疾患名との乖離)
62鶏マイコプラズマ病鶏、七面鳥マイコプラズマ鶏マイコプラズマ症(病原体名+症)
63ロイコチトゾーン病原虫ロイコチトゾーン症(病原体名+症)
64あひる肝炎あひるウイルス
65あひるウイルス性腸炎あひるウイルス
66兎ウイルス性出血病うさぎウイルス
67兎粘液腫うさぎウイルス
68バロア病蜜蜂ダニバロア症(病原体名+症)
69チョーク病蜜蜂真菌
70アカリンダニ症蜜蜂ダニ
71ノゼマ病蜜蜂原虫ノゼマ症(病原体名+症)
注1:病原体がレプトスピラ・ポモナ、レプトスピラ・カニコーラ、レプトスピラ・イクテロヘモリジア、レプトスピラ・グリポティフォーサ、レプトスピラ・ハージョ、レプトスピラ・オータムナーリスおよびレプトスピラ・オーストラーリスによるものに限る。
注2:病原体がサルモネラ・ダブリン、サルモネラ・エンテリティディス、サルモネラ・ティフィムリウムおよびサルモネラ・コレラエスイスによるものに限る。
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